気仙沼市
基本情報
自治体名:宮城県気仙沼市
都道府県:宮城県
自治体規模:市
自治体HP:https://www.kesennuma.miyagi.jp
シェアリングエコノミー活用の取り組み
概要
【地域の足の確保】
市の公用車にカーシェアリングの仕組みを導入することで観光客等も車両の使用を可能とし、地域の二次交通の多様化を図る実証事業を実施。
取組主体:気仙沼市
導入前の状況 (課題)
【二次交通】
- 市内の観光地は、JRの主要な駅がある中心部から離れた場所に点在
- JRや高速バスを利用して訪れる観光客等は、市内移動の足として巡回バスやタクシー、レンタカーなどを使用しているが、運行経路や運行時間、料金などの面でそれぞれメリット・デメリットがあり、二次交通の多様化が必要
【公用車】
- 市役所が閉庁となる休日や年末年始はほとんど稼働していない。
- 復旧・復興事業のために公用車を増車したが、復興創生期間終了後には台数が過剰になる可能性あり。
- 車両の管理を各部署が行っており、稼働状況にバラツキがあるなど、効率的な運用ができていない。
- 職員がタイヤ交換を行ったり、オイル交換などメンテナンスが十分でないなど、車両の安全性に不安がある。
課題に対する取組
- 新たなシステム構築等が不要な既存のレンタカー型カーシェアリングの仕組みを活用(トヨタレンタリース宮城に委託して実施)
- 市役所をステーションとして、カーシェアリング専用車両2台を導入
- 市は法人会員として主に平日に使用。休日は観光客や地域住民など一般の方も使用可能とした。
- 併せて、本格導入に向けたニーズや課題を調査。既存公用車とのコスト面などの比較も行い公用車の運用の最適化につなげる。
- 実証期間は2018年9月3日から2019年3月8日まで(一般使用は2018年9月29日から開始)。
導入後の状況 (取組の効果)
【一般使用】
- 市民や観光客等を対象としたアンケートではニーズはそれほど高くないことが分かった。
【公務使用】
- 公務使用に関しては、車両の空き状況の確認や予約がスマートフォンで簡単に行え、利便性が高く、効率的な車両の運用が可能。
- 車両の管理をプロの整備士が行うことで、安全性の向上や職員の業務負荷の低減が図られる。
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- 駅前観光案内所、市内観光ホテル、ビジネスホテル、レンタカー会社の県内主要店舗などにチラシを配架
- 市内外のイベント等でチラシを配布
- 観光ポータルサイトのアクセスページに掲載。市ホームページはトップページの目立つ位置にバナーを掲載
- 市内購読率7割を超える地元紙に記事掲載
- コミュニティFM「ラヂオ気仙沼」に広報番組に出演し、取り組みを紹介
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 地域住民及びレンタカー利用者を対象としたアンケートを実施
- 市民説明会を実施
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- 特になし。
- ただし、スマホアプリを使用しないシステムのため、インターネットにつながる環境であれば、フィーチャーフォンからも予約やドアの解錠・施錠の操作が可能
サービスの安全・安心を確保するための取組
- 事故や故障などが発生した際に直ちに対応できるよう、市内に店舗を有する事業者を委託先に選定
- 既存のレンタカー型カーシェアリングの仕組みを活用することで、レンタカーと同等の補償内容を確保
- 委託先レンタカー会社が毎週末車両の点検や清掃を実施
法律や条例との整合性を確保するための取組
- 事業の開始にあたり、委託先レンタカー会社が県警や陸運支局からの指導を仰ぎ取り組みを展開
残された課題、継続取組事項
- 一般使用者の利便性向上のため、休日にステーションを市役所から駅前に移動させることを検討したが、現行制度ではできないことが判明
- 事業者の選定に関しては、カーシェアリングサービスを全国展開し会員数が多いサービス事業者を選定することができれば、一般使用者の利便性が向上し、既存ユーザーを取り込め利用率が上がる可能性もあるが、市内に該当する事業者がいない。 ➡ 自動車メーカーなどの今後のサービス展開を注視していく。
- 既存公用車との単純なコスト比較ではカーシェアリングの優位性は低い。 ➡ 行財政改革の一環で、カーシェアリングも含めて公用車の最適化について検討していく。
連絡先
気仙沼市
震災復興・企画部 震災復興・企画課けせんぬま創生戦略室
及川 直也
kikaku@kesennuma.miyagi.jp
0226-22-6600 内線314