石巻市
基本情報
自治体名:宮城県石巻市
都道府県:宮城県
自治体規模:市
自治体HP:https://www.city.ishinomaki.lg.jp/
シェアリングエコノミー活用の取り組み
概要
【地域の足の確保】
地域コミュニティで楽しく住民が主体的に運営する寄付車のカーシェアにより、地域色のある外出支援活動を市内10地域で展開。
取組主体:石巻市・日本カーシェアリング協会
導入前の状況 (課題)
(仮設住宅):災害直後
- 約6万台の車が被災し、圧倒的な車不足となる。
仮設住宅が交通インフラの整備されていない地域に建設され移動困難者が増加。
↓
(復興公営住宅):生活再建期
- 収入に応じて賃料の変わる復興公営住宅では高齢化率が高い。
- 一からコミュニティ形成を行う必要があるため、ご近所同士の関係が希薄。
➡高齢者の孤立化及び交通弱者の問題が深刻化。
課題に対する取組
- 2011年7月に一般社団法人日本カーシェアリング協会が寄付で集めた車を石巻市内の仮設住宅に届け、住民主体の『コミュニティ・カーシェアリング』支援開始。
- 2012年2月から『カーシェアリング・コミュニティサポートセンター』を設置し、以下の取組を実施。
- 『コミュニティ・カーシェアリング』の導入支援(地域調査・説明会実施等)
- 運営支援(ルール作り・企画サポート)
- 地域連携支援(地元大学で整備を授業の一環として実施・各セクションの政策との連携調整等)
『コミュニティ・カーシェアリング』とは・・・
「支え合う地域づくり」を目的とした地域のサークル活動。地域でルール作りと役割分担を行い、乗り合いでの買い物や、高齢者の外出支援、旅行、おちゃっこ(サロン)といった活動を行っており、経費は実費を利用頻度に応じて分担する。
導入後の状況 (取組の効果)
- 市内10地域で約400人(平均年齢74歳)で実施し、地域のコミュニティ形成と移動改善に寄与。※2019年12月末時点
<2018年4月~2019年3月の活動実績>
・お出かけ(旅行)回数:46回実施・おちゃっこ会(サロン):97回実施
・買い物ツアー:126回実施 ・外出支援:3,847回
・延べ活動参加人数:4,738名
導入プログラムを開発し、2018年から石巻以外での導入サポートを開始。美作市・岡山市・米子市・大津市・南三陸町で導入され、他の地域へも広がりをみせている。
コミュニティ形成と移動改善に効果が確認される。
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- 石巻市報で活動を紹介。活動車にキャラクターのステッカー掲示。
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 自治会等の地域コミュニティと連携。
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- 仕組みは基本的にアナログ(電話で予約・運行記録は紙に記入)。
サービスの安全・安心を確保するための取組
- 日本カーシェアリング協会にサポートを委託(車両の管理含む)。
法律や条例との整合性を確保するための取組
- 国土交通省東北運輸局への適法性の確認。
補完・連携した既存の公共サービスの内容
- 地域への導入サポートを日本カーシェアリング協会に委託。活動が始まった地域に対して助成(最大18万円/年)。
広域連携のための取組
- 他地域への横展開に協力するため、視察への協力。
残された課題、継続取組事項
- 『コミュニティ・カーシェアリング』との政策連携・モデルの質向上等を目的とし、市の関係課・地元大学教授等と組織する検討委員会にて、交通事業者との連携・健康への影響・介護福祉事業との連携等について定期的な会議を行い協議を続けていく予定。
- 若年層への利用拡大を視野に、インターネットを活用する手法を検討予定。
- 半島沿岸部等の過疎地域への導入を検討予定。
連絡先
石巻市
ICT総合推進室
菅野 寛信
reconstproj@city.ishinomaki.lg.jp
0225-95-1111(内線4255)