十日町市

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基本情報

自治体名:新潟県十日町市
都道府県:新潟県
自治体規模:市
自治体HP:http://www.city.tokamachi.lg.jp

シェアリングエコノミー活用の取り組み

概要

【その他】

まちの老舗企業が所有する倉庫の空きスペースを改修し、「大地の芸術祭の里」としてアーティストが持つ感性を生かせる場や起業・創業を目指す人たちの「コ・クリエーション(共創)」の場を創出。

取組主体:新潟県十日町市、有限会社 瀧長商店、株式会社 toiz

導入前の状況 (課題)

  • 十日町市の地場産業であるきもの産業における経済情勢の変化に伴い、利用されない施設が増加。
  • きもの文化や歴史、伝統技術を生かした新たな産業への展開を模索。
  • まちおこしに向けて、若者や多様な人々が集えるような交流の場が少ない。
  • 大地の芸術祭の里として、アーティストが持つ感性を生かしながら、地域で活躍できる場のニーズが高い。

課題に対する取組

  • 自社が保有する活用可能な資産(倉庫2階の空き物件)をシェアスペースとし改修。
  • 単なる貸しスペースではなく、利用者の新しいライフスタイルを積極的にサポートする。
    「asto –Art Scape of Tokamachi-」を設立。(2018年10月)
    【シェアスペース事業】
    ○シェアアトリエ/オフィス: 仕事や作業に集中できる貸切ブース
    ○シェアラウンジ: カフェのように自由な用途で使えるコワーキングスペース
    ○ギャラリー/スタジオ: 作品制作・展示、ワークショップができる空間
    【アートサポート事業】
    ○地場産業を生かしたアートグッズの企画販売やアーティストの制作活動(アーティストインレジデンスなど)の支援
    ➡個人が好きなこと・やりたい事を仕事にしたい人たちの活動する環境を作り、会員同士が繋がる場を提供し、   サポートしていく。

導入後の状況 (取組の効果)

  • 開業して1年で会員数は伸びている。(2019年12月末現在:ラウンジ会員14名、ブース会員3名、facebookフォロワー数402人獲得)
  • 会員の新たな出会いの場を創出することで、市内外を問わず「人・コト・情報」が集まり、多種多様なコミュニティが生まれている。
  • 創業100年を超える地場産業を支えた老舗企業が形を替えて歴史を受け継ぎ、アートを生かした地域づくりに貢献している。
  • 新たなグッズの企画・販売により、地域産業との連携が図られている。
  • 新潟県内で起業、創業を支援する「スタートアップ拠点」として県から認定され、新規事業を起こす人の支援体制を強化(2019年8月〜)

取組のポイント

サービスの認知度向上のための取組

  • 倉庫2階空きスペースの改修とともに、「古家具リメイクワークショップ」を開催し、興味を持つ有志による共同作業によって「古いものを生かしながら新しいものを生み出す」場所を作り、その話題性を口コミやSNSにより発信。
  • 「大地の芸術祭アートトリエンナーレ2018」では、グッズ販売を通じて「asto」をPR。
  • 自社ホームページやSNSでの周知や地元新聞、フリーペーパーへの掲出など。
  • 「スタートアップ拠点」として新潟県の起業、創業支援施設として認定されたことをアピールすることで、利用者への訴求力向上を目指す。

サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組

  • 運営は地元企業だけでなく「外からの目線」を持つ移住者の起業による企業(toiz)と共同運営し、シェアスペースを生かす幅広い視点による多様なサービスを提供。
  • 利用料金は相場の1/3程度に抑え、利用のハードルを下げることで会員の活動や事業の成功に繋げることを重視。
  • スタッフが利用者の実現したいコトに寄り添い、起業マネジメントなどの相談窓口の役割を果たしている。
  • 起業創業のきっかけ作りや意欲的な人同士の交流促進イベントを主催。

スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組

  • 地元新聞やフリーペーパーへの記事掲載、パンフレットやイベントチラシなどを配布。

サービスの安全・安心を確保するための取組

  • 利用者の安全性やサービスの質を保つため、利用者は面接による会員制度とした。

補完・連携した既存の公共サービスの内容

  • 十日町市役所や商工会議所と連携した起業、創業希望者の初期相談窓口としての機能。

広域連携のための取組

  • 新潟県が主導する「官民連携創業支援ネットワーク:創業支援プラットフォーム」に加盟。

その他

  • 市内外を問わず「人・コト・情報」が集まる場として、高校生や若者には都心や市外との接点となり、移住者や市外の会員には、地域との接点にもなっている。
  • Art Scape of Tokamachiの「scape」に込めた思い:scapeには「花の茎」という意味もあり「asto」が養分や水など必要なものを運ぶ「茎」となり、ここに集う新しく何かを始めたい人が「花」となるようにサポート。
  • 司法アドバイザー(弁護士)に会員が相談できる体制になっている。
  • アートマネジメント(プランニング)をはじめ、「大地の芸術祭の里」という特徴ある地域性を民間レベルで発信。
  • astoの取組みを始め、観光・文化施設や地域の取組みなどについても、市外の視察に対するコーディネーションを展開し、多様な主体との関わりを創る。

残された課題、継続取組事項

  • 開業して間もないため。利用者の増加に向けたPRやイベントを実施。
  • 県外や首都圏からの会員を対象とする、利用頻度が少なくても利用しやすい料金プランの設定。
  • 行政との連携(例:雪まつりなど地域イベントとのタイアップや移住希望者と地元住民や定住者との交流の場づくりなど)。
  • 県立高校前の立地を生かして、地元高校生(若者)が地域外のと交流を通じて地域への興味や魅力を感じることで、地域への自信を持てる場を提供していく。
  • astoを通じ育った人達が街に飛び出し、空き家や空き店舗などを活用することで、商店街等の活性化に繋げていく。
  • 都内のコワーキングスペースやシェアオフィスと提携し、移住定住に繋げる取組やシェアリングエコノミープラットフォームの活用を今後検討。

連絡先

十日町市
総務部企画政策課企画政策係
相崎 文幸
t-kikaku@city.tokamachi.lg.jp
025-757-3193

関連情報

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