天塩町
基本情報
自治体名: 北海道天塩郡天塩町
都道府県: 北海道
自治体規模:町 / 村
自治体HP: http://www.teshiotown.hokkaido.jp
シェアリングエコノミー活用の取り組み
概要
【地域の足の確保】
コストシェア型の「相乗り」マッチングサービスを導入し、住民相互の助け合いにより、地域住民の足を確保。
取組主体:天塩町
導入前の状況 (課題)
- 1955年に人口は、約1万人だったが、60年間で1/3に減少し、少子高齢化が進展。
- 総合病院など生活インフラが約70kmも離れている稚内市に所在し、自動車で 片道1時間を要する
- 稚内まで公共交通機関を使った場合、バス、鉄道を乗り継ぎで約3時間を要する。(日帰り往復不可)
↓ - 運転できない交通弱者に対する地域の足の確保が重要課題に。
課題に対する取組
- 国の補助金等による路線の増設・存続は持続可能性がないという認識
- この認識のもと、天塩~稚内間を定常的に移動する自動車のスペース(空席)を活用し「相乗り」できないかとの着想を得る。
↓
- 同乗者が移動に要した費用(ガソリン代・高速道路代)を負担する相乗りマッチングサービスを導入
導入後の状況 (取組の効果)
- 天塩⇔稚内間への移動に要する時間と費用の低減:3時間→1時間(片道) 1,800~2,930円+宿代→600~800円(車両により異なる)
- 従来型追加輸送と比較し「お値打ち」:公共交通機関にて追加輸送した場合(仮想試算)約2,626万円/年
➡相乗り輸送の運営費用:約100万円/年
- 取組み開始からの延べ同乗利用者数【合計437名】(33ヶ月間累計・2019年11月末時点)
- 同乗利用者の増減:利用者(ニーズ)は着実に増えている
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- 広報による周知においては、高齢者は小さい文字が羅列してあるような広報物をあまり読まない傾向にあるため、できる限り分かりやすく伝えるチラシを作成するとともに、説明が必要な方には役場に電話してもらうように誘導。
- 通院以外でも使えることをアピール、興味・関心を持ってもらうきっかけ作りのために、相乗りツアーを4回開催(ドライバー16名、同乗者39名の計55名が参加)。
- 輸入車販売大手と連携し、専用車両を期間限定で無償貸与キャンペーンを実施。自分のクルマでは相乗りに抵抗がある方向けの対応、および話題作りによる認知拡大に寄与。
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 広くドライバー及び利用者を募るため、広報誌や住民回覧への掲載を行ったほか、老人クラブでの説明会や意見交換会などを実施(2016年度3回、2017年度3回)。
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- 相乗りマッチング事業の運営を行う株式会社nottecoと提携し、実証実験を実施。専用サイトおよび電話による受付・相談窓口の開設(スマートフォン・インターネットを所有・使用できない高齢者への電話での対応)、配車対応のオペレーション、利用マニュアルの作成などを行い、利用者向けのサポートを充実。
サービスの安全・安心を確保するための取組
- 知らない人の運転するクルマに乗る不安を払拭するために、ドライバーの顔が見えるように交流会を開催
- 相乗り乗車中の事故を補償するための保険(移動支援サービス専用保険)に町が加入
法律や条例との整合性を確保するための取組
取組開始時、既存法の適用について国土交通省・地方運輸局に相談と確認。また、産業競争力強化法(経済産業省)に基づくグレーゾーン解消制度の成果に基づき事業を運営
残された課題、継続取組事項
- 特に2~3人の少数のドライバーに過度に依存(万一事故が起きた場合にドライバー責任となる心理的負担やドライブの対価としてのインセンティブが低いことが要因と考えられる)。
- バスやタクシーと同様のサービスとの誤解が存在。
➡ 広報や相乗りツアーの実施など認知度向上に向けた取組を継続
- 家族や知人と一緒に行く移動、空席有りでも他人を乗せたくない→地域における共助、相互扶助の
教育と啓蒙 - 計画性の低い移動(天塩⇔稚内 絶対的な移動車両数は多いものの)→SNS等を活用した移動予定車両の可視化 等
連絡先
天塩町
総務課
菅原 英人
ouentai@teshiotown.com
01632-2-1001(代)
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