【開催レポート】シェア経済のDX化における発展可能性とリスク対策について-Supported by Zoom-

2021年8月25日、協会主催イベント「シェア経済のDX化における発展可能性とリスク対策について」を開催。会員企業様、シェアリングシティ推進協議会会員様、一般の方含む、約50名の方にご視聴頂きました。

開催の背景と目的

9月にデジタル庁が創設されるなど、ますます注目を集めるDXの領域において、事業の加速化などのさまざまな恩恵がある一方、リスクがもたらされることが予想されます。
本イベントは、DX化に向けて、コミュニケーション・決済・人材活用・リスクの観点から、基調講演と、各代表企業に登壇いただくパネルディスカッションを行い、具体的なアクションの例を提示していくことを目的に開催しました。

基調講演

一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会の代表理事であり、当協会 九州支部長を務める 森戸裕一より『シェア経済とDXの発展』をテーマにしたインプットセッション。

推進体制構築のポイントとして、アクセルとブレーキの使い分けや、官民連携や自治体との連携の重要性。そしてデータ駆動型社会に向けて各セクターが取り組みことで、仕事を通じた達成感や充実感という「Well-Being」だけでなく、生産性や創造性を高める「Well-Doing」にも貢献すると発表しました。

 

パネルディスカッション

登壇者

◯株式会社Paidy Large Merchant Sales Manager 大内武様
◯リフィニティブ・ジャパン株式会社 ソリューション営業部 リスク&コンプライアンス 乳原晶子様
◯ZVC JAPAN株式会社 公共政策担当 武田大周様
◯アクシスコンサルティング株式会社 取締役 伊藤文隆様
◯モデレーター:一般社団法人シェアリングエコノミー協会 常任理事 積田有平
◯アドバイザー:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会代表理事 / 一般社団法人シェアリングエコノミー協会 九州支部長 森戸裕一

 

まず当協会 常任理事 であり、協会発足当初からシェアリングシティを担当してきた積田より。

「特に今まで自治体とのやりとりにおいて、1対1の電話では難しかったことが、コロナ禍でのZoomの普及に伴い、顔が見えて資料も表示出来るオンラインでの打ち合わせスタイルに変わったのはまさに革命だった。それに伴いシェアリングシティに加盟する自治体も、大幅に増えた」と伝えました。

 

DX×コミュニケーション

そのような情勢を踏まえ、まずは、ZVC JAPAN(Zoom)の武田様より、Zoomが行う地方創生の取り組みをご紹介。

「オンラインのコミュニケーションは自治体でも広がっているが、まだ地方ではテレワークが出来る環境が整っていないこともある。Zoomでは自治体や民間企業と包括連携協定を結ぶなどして、実証実験や、コワーキングスペースの開発にも取り組んでいる」。リスク対策に関しては、「アプリにZoomを直接組まれたサービスもある。対面に近しいビデオメッセージというコミュニケーションの自由度が増えると、悪質な利用者も同時に増える。会話内容をプラットフォーム内に抑えるなど、プライバシーを守るための対策も行なっている」とお話されました。
地方での働きやすさや、地方での消費につなげる施策として、農業や災害対策においてドローンを用いた新たな活用法も進めているそうです。

 

DX×人材活用

まだまだDX人材が不足している中、アクシスコンサルティング 伊藤様からは、「例えば大手のコンサル会社が副業解禁し始めたことで、そこで働くコンサルタントが副業でスポットのコンサルをやるケースも進んでいくと考えています。まずはそうした単発のサービスから、とりあえずライトに使ってみる。よかったら継続する。という形で活用することが効果的。地方でDX人材の採用は難易度が高い。だからこそシェアリングが適していると思う。そのためにも特に活用側のマネジメントラインへの理解が必要で、これが進めば地方でのDX化も進むはず。」とお話されました。

 

当協会では昨日、デジタル改革担当大臣に「デジタル社会のビジョン実現に向けた提言」を提出しました。その中で『個人に対する社会的与信のあり方の見直し』に関して提示しており、ペイディ社が使命として掲げる、『社会に「信頼」を広め、すべての人が「夢に自信を持ち、心に余裕を持てる世界」を作ること』というのは、協会が描きたいビジョンと通ずると積田より伝えました。

 

DX×決済

Paidy 大内様からは、「2018年に国がキャッシュレスビジョンを掲げるなど推進を進めているが、まだ海外と比べると低い普及率。元々根底にあったインバウンド需要が落ち込む中、EC市場は20兆円になるなど、年々成長している。そこでの多様な決済方法が求められるようになった。今後はCtoCのシェアビジネスへの導入も積極的に進め、他社の決済サービスやクレジットカード会社と連携するなどしながら、Paidyを使える場所を増やすことと、実際に活用してもらうこと、同時に注力したい」とお話されました。

DX×リスク

世界有数の金融データプロバイダーとして、190カ国で4万社を超える企業や機関にサービスを提供するリフィニティブ・ジャパンの乳原様より、データを利用したコンプライアンス対策の策定や、デジタル化推進のための活用法について。「日本ではわざわざデータを購入して対応することはほとんどなかったが、海外では主流なため、グローバルな金融機関を誘致する際にも有効な手段。様々な省庁からも認められているので、グローバル展開だけでなく、上場準備においても、しかるべきデータを提示することがサービス拡大のアクセルを踏む際の手助けとなるはず」とお話しされました。

 

リフィニティブ・ジャパン様とは、今後協会で定期的に開催している会員企業限定の勉強会「リスクマネジメント勉強会」でも様々なレクチャーをして頂く予定です。

 

最後総括として森戸より、「これまでのシェアリングエコノミーは、東京という3000万人経済圏の中で推進していた。オンライン化が進み、残りの9000万人へのアプローチが求められている。地域の人が一番信頼しているのは自治体。まずは一つ自治体を通してサービスを導入することが利用者への安心感と繋がる。一つ風穴をあけることさえ出来れば、自治体の横並びの特徴を生かして展開もしやすい。各サービスの安心安全の担保をしながら、ぜひ一緒にシェア経済のDX化を進めていきたい」と伝えました。

 

今回の内容を10月5日に開催するシェアサミット2021 でより深掘りしていきます。ぜひご参加下さいませ。

▼シェアサミット2021(視聴無料)
https://sharing-economy.jp/ja/sharesummit/ss2021/