【Press release】シェアリングエコノミー経済規模は過去最高の2兆円超え。新型コロナウイルスで新たな活用の広がり、SDGsへも貢献。
一般社団法人シェアリングエコノミー協会(代表理事:上田 祐司、重松 大輔、以下「シェアリングエコノミー協会」)は、株式会社情報通信総合研究所(代表取締役社長:大平 弘、以下「ICR」)と共同で、日本のシェアリングサービスに関する市場調査を実施しました。(*1)
本調査により2020年度日本におけるシェアリングエコノミーの市場規模が2兆1,004億円となり、2030年度には14兆1,526億円に拡大することが分かりました。
本調査の背景とポイント
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い社会や経済が大きく変化する中、シェアリングエコノミーの成長にも大きな影響を及ぼしました。このような背景を踏まえシェアリングエコノミーの「市場規模」と「経済波及効果」の調査を実施。さらにSDGsへの貢献効果の将来予測もまとめました。
市場規模の定義について
対象とするサービスはインターネット上で資産やスキルの提供者と利用者を結びつけるもの、利用したいときにすぐ取引が成立するものとし、市場規模は資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額と定義。(プラットフォーマーの売上ではない)
課題解決シナリオの考え方
シェアリングエコノミーの成長には認知度が低い点や個人が提供するサービス利用への不安等の課題が存在。 そこで、サービス提供側・利用側双方について、以下の様に成長の課題が解決する状況を想定した場合の市場規模を算出しました。
2020年度と2030年度の市場規模 推計結果
【2020年度市場規模】
2兆1,004億円
⇒新型コロナウイルスの影響で前回調査(2019年4月実施(*2))予測を下回る見通し
【2030年度市場規模】
▼現状ペースで成長した場合
7兆4,719億円
▼新型コロナウイルスによる不安、認知度が低い点等の課題が解決した場合
14兆1,526億円
⇒新型コロナウイルスを契機としたシェアサービス利用・利用意向拡大の動きもあり、共に前回調査(*2)予測を上回る見通し
新型コロナウイルスによる影響①(プラス面とマイナス面)
新型コロナウイルスが市場規模に与える影響はプラスとマイナスの双方があります。
例えばインバウンド旅行者利用が多い民泊や、人と人が接触する対面型のスキルシェアに対してはマイナスの影響が大きく、オンラインで完結するサービスや外出回避につながる食事宅配等はプラスの影響が大きくなりました。
新型コロナウイルスによる影響②(サービス提供者・利用者の拡大)
新型コロナの影響でサービス提供・利用を始めた人の回答を見ると、多くのサービスで「提供者」の割合が大きく、収入獲得のために開始したことがうかがえます。(特に部屋、モノ、自動車等既存資産の活用)
既存産業への経済波及効果推計結果
シェアワーカー(*3)の収入から既存産業への経済波及効果は20年度で1兆3,519億円。
30年度はベースシナリオで4兆8,006億円、課題解決シナリオで9兆3,893億円
シェアリングエコノミーの成長は既存産業へもかなり好影響を与えることが分かりました。
シェアリングエコノミーのSDGsへの貢献効果
本調査により、シェアリングエコノミーのSDGsへの貢献効果も市場拡大に伴って拡大することが分かりました。
SDGsへの貢献効果:20~30年度の成長予測(*4)
調査資料はこちらよりご覧いただけます。
https://sharing-economy.jp/ja/wp-content/uploads/2020/11/7ee060dfdcefbc47ef4872654d8eb1ef.pdf
(*1)全国の20-60代の男女(プレ調査29,949人、本調査2,613人)を対象
(*2)前回調査
シェアリングエコノミー経済規模は過去最高 1兆8,000億円超え、30年には11兆円と予測生活の充実度や幸福度向上にも寄与
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000022734.html
(*3) シェアワーカー:プラットフォームを通じて収入を得る個人
(*4)この一部(赤字部分)を抽出して計測した効果(2020年11月調査参照)の将来予測を実施
https://sharing-economy.jp/ja/wp-content/uploads/2020/11/84458750915acdfc1480c8f68f23474a.pdf
【シェアリングエコノミー協会】
https://sharing-economy.jp/ja/
シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人と個人・企業等の間でモノ・場所・技能などを売買・貸し借りする等の経済モデルです。モノ、スペース、スキル、時間などあらゆる資産を共有する「シェア」の考えや消費スタイルが日に日に広がりを見せています。 これからの日本経済の発展につなげられるよう、シェアリングエコノミー協会では、法的な整備をはじめ、安全な市場環境の整備に取り組んでいます。
【株式会社情報通信総合研究所】
https://www.icr.co.jp/
情報通信専門のシンクタンクとして、1985年6月に、国内外の情報通信に関する調査・研究を専門とするシンクタンクとして設立されました。固定通信や移動通信、インターネット・ICT、通信と放送の融合から地域の情報化など、情報通信関連の調査研究、コンサルティング、マーケティング、出版事業などの活動を展開しています。
アンケート調査結果を詳細に分析した報告書及びデータ集を、情報通信総合研究所より2021年1月~販売予定
問合せ先:山本悠介(E-mail:yamamoto@icr.co.jp)、会社代表(Tel:03-3663-7500)