政府公表『成長戦略実行計画』『成長戦略フォローアップ』 『経済財政運営と改革の基本方針2020』にシェアリングエコノミーが 重点施策として位置づけられました。
政府は、7月17日、「成長戦略実行計画」、「成長戦略フォローアップ」、「経済財政運営と改革の基本方針2020」を閣議決定しました。本年度も、シェアリングエコノミーの健全な普及促進に向けた各種施策が重要政策として位置づけられました。以下、関連する箇所をご紹介します。
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202007/17keizai_mirai.html
成長戦略実行計画
兼業・副業やフリーランスといった多様な働き方を選択できる環境整備を進めていくこと、その一つとして労災保険の特別加入制度の適用拡大などを検討することとされました。
以下、抜粋
2.フリーランスの環境整備
(4)労働者災害補償保険等の更なる活用
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※労災保険の特別加入制度の対象拡大等については、8月14日までパブコメ実施中です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12091.html
成長戦略フォローアップ
シェアリングエコノミーの安心安全な普及に向けてシェアワーカーのための研修・認証制度を立ち上げること、また自治体と連携して災害発生時等における新たな共助の仕組みとしてシェアリングエコノミーの活用を促進することとされました。
以下、抜粋(【】は協会の追記)
【全般】シェアリングエコノミーについて、安全性・信頼性向上を果たしつつ社会への浸透・定着を促進する。
【シェアワーカー研修・認証制度】サービス提供者が順守すべき基本的事項を示すとともに、シェアワーカーのすそ野拡大、スキルアップ、サービス品質の向上に向けた研修・認証制度を2020年度から開始する。 【自治体におけるシェア活用の促進】地域課題の解決に向けたシェアリングエコノミーの活用を促進するための自治体向けハンドブックを 2020 年度中に作成する。 【非常時における新たな共助の仕組み】非常時等における共創・共助による公共サービスの円滑な提供に向け、シ ェアリング事業者と自治体間の連携を促進するための防災分野も含むモデル連携協定、事業者向けハンドブックをシェアリングシティ推進協議会等と連携しながら、2021 年度中に作成する。 |
また、個別テーマでは、電動キックボードのシェアリング事業に関する実証実験を進めていくことが明記されました。
以下、抜粋
現在「原動機付自転車」と分類されている、いわゆる電動キックボードに関し、将来の移動を担う新たな交通手段として、2019年度に実施した規制のサンドボックス制度に基づく実証実験や国際的な動向等を踏まえ、歩行者を含む様々な交通主体の安全性及び快適性を十分に確保することに留意しつつ、走行場所や車両保安基準について検証するための新事業を行う。 さらに、新事業の結果を踏まえ、運転者の要件や、安全確保措置、車両の区分等の交通ルールの在り方について、制度見直しの要否を含め検討する。 特に、国家戦略特別区域法に基づく運転者の要件等の特例措置について、 2021年前半目途に結論を得る。 |
「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針)
骨太方針では、東京から地方への新たな人の流れを創出していくこととされました。住まいのシェアは、まさに多拠点生活の促進や関係人口の創出につながるものです。
以下、抜粋
感染症拡大により、テレワークの活用を通じて、場所にとらわれず仕事ができるという認識が広まりつつある。こうした動きは、多様な人材の活躍の場を広げ、付加価値生産性向上につながるとともに、地方移住の可能性を広げるものである。「新たな日常」が実現される地方創生を推進していくため、首都圏において地方移住への関心が高まっているこの機を捉え、スマートシティの推進等を通じ、災害リスクも高い東京一極集中の流れを大きく変えるとともに、観光や農林水産業といった地域が誇る資源を最大限活かして、強靱かつ自律的な地域経済を構築することにより、多核連携型の経済社会や国土の在り方を新たに具体化し、国・地方、さらに官民が協力してその実現を進める。 |
▼成長戦略実行計画案
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0717/shiryo_03.pdf
▼成長戦略フォローアップ案
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0717/shiryo_04.pdf
▼経済財政運営と改革の基本方針2020
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0717/shiryo_02-1.pdf
写真:首相官邸公式サイトより(http://www.kantei.go.jp/)。発言する安倍首相