協会会員notteco、被災地でのライドシェア費用を負担 ボランティア本格始動に向けて
シェアリングエコノミー協会会員で日本最大級の中長距離ライドシェアサービス「notteco(のってこ!)」を提供する株式会社nottecoは21日、熊本地震災害支援の特設ページを公開しました。
熊本市災害ボランティアセンターがあす22日午前11時から開設することを受けて、ボランティア活動に応募した方々が被災地で支援活動を始めます。ボランティアで現地に向かう移動手段を探している人などを対象に、利用者のライドシェア費用をnottecoが負担します。期間は4月21日10時から始まります。
シェアリングエコノミーを活用した被災地支援の協会会員の活動詳細をご案内します。
ボランティア希望者の移動手段として 車の相乗りで想定課題を解決
nottecoが費用補助するライドシェアは、具体的には「被災地までの移動と被災地から地域外への移動」ならびに「同乗者が1人以上成立したドライブ」です。
ボランティアに向かう方や被災地から他エリアへ移動する方など、用途に応じて検索し、ドライバー登録や同乗者を探します。希望に合うライドシェア条件が見つからなければ、ドライバー募集をかけることも可能です。
熊本地震災害支援で補助される金額の科目は以下の通り
- 車移動時の高速代とガソリン代(フェリーでの自動車航送費用やレンタカー費用は対象外)
- ドライブ登録時に設定された金額に、成立した同乗者の人数をかけた金額
その他の注意事項やドライバー登録など無料ユーザー登録は特設ページでご確認ください。
シェアリングエコノミーを活用した災害支援は、同じく協会会員のAirbnb(エアビーアンドビー)がいち早く動き、無料で緊急宿泊場所を提供しました。今後、被災地の復興に向けた取り組みでは、瓦礫の撤去などの作業を行うボランティア人員の移動手段も必要になります。中長距離ライドシェアの分野で唯一の支援活動事業として、企画を推進したnottecoスタッフの東祐太朗さんにお話を聞きました。
支援企画を発案したきっかけ
愛知県でNPO団体を運営している知人に相談したのがきっかけです。私とその知人は2011年3月の東日本大震災のとき、復興支援のため被災地でボランティア活動をしました。
この度の地震発生直後、その知人に電話をかけて、「何かできることはないだろうか?」と相談したのです。
すると、「今携わっているシェアリングエコノミーの領域で、仕事の延長として支援活動に取り組めるのではないか?」とアドバイスされました。
東日本大震災のときも、ボランティア活動のニーズが出たときに鉄道など在来線が運行しておらず、移動手段に困ったことを思い出しました。ボランティアするためにも現地に行く手段がなければ手伝えない。物資の運搬も必要。ただし、皆が皆、個別に被災地に向かうことで、渋滞を巻き起こす危険性があります。また、どうせなら同じ目的を持った人がかたまって行ける方が効率もいい。そう思って、この企画をスタートしました。
現地の自治体や支援団体と連携
「何かやらないと!」と思いながらも、実際にどこの被災地で誰が何を必要としているかの確認作業が必要でした。地震発生直後、自治体から発信される情報などを逐一確認していました。また、簡易ページを作り、地震の影響でライドシェアを必要としている被災者らのお問い合わせを募集しました。お問い合わせの中には、被災したnottecoユーザーから他県への避難相談のほか、東北在住のボランティア活動希望者らの要望がありました。
熊本市が19日から正式にボランティアの受け入れ募集を始めると、スタッフ総勢で特集ページの制作と利用ニーズの詳細調査を行いました。被災地の方々が大変な状況であることを考えると、一刻も早く企画をスタートしなければいけないと思い、皆が想いを一つにして作業に取り掛かりました。
いよいよあすからボランティア活動が始まります。円滑な運営、早期の復興を祈り、nottecoを通して被災地の課題を解決し、貢献できればと思っています。