民泊規制に関する観光庁の方針表明を受けて

2026年6月17日に行われた観光庁長官の記者会見において、自治体による民泊に対する「ゼロ日規制」を含む立地規制について、6月中に通知(技術的助言)を発出する方針であることが明らかになりました。

当協会としては、十分な検証なく過度な条例規制の連鎖が起きることがないよう、観光庁に対し、通知の発出にあたり、以下の対応を求めます。

1.ゼロ日規制の厳格な適用要件の明記(通知)

  • 弊害の客観的立証・比例原則・より制限的でない代替手段の先行試行を要件として明記
  • 闇民泊を増やす悪循環に陥らないよう制度設計を慎重に検討するよう求める文言を追記

2.安易な立地規制のリスクの明記

  • 私有財産権(憲法29条)への制約として規制の必要性・相当性の立証責任が自治体にあることを補足資料等に明示 
  • 既存届出事業者へのゼロ日規制は信頼保護・法的安定性の観点から訴訟リスクが生じることを補足資料等に明示

当協会は、シェアリングエコノミーが地域社会と共存し、持続可能な形で発展していくために、今後も自治体、住民、事業者、プラットフォーム、関係省庁との対話を重ね、健全な制度設計に向けた議論を深めてまいります。

 

▼本件に関する問い合わせ先
一般社団法人シェアリングエコノミー協会
info@sharing-economy.jp

 

(参考)

地域課題への理解と民泊の意義

騒音・ごみ・無許可営業など一部地域での問題を踏まえれば、自治体が地域の実情に応じた規制を行うことには一定の必要性があります。一方で、民泊は空き家活用、宿泊の多様化、観光需要の分散、関係人口の創出など、地域課題の解決にも資する仕組みです。適正に運営される民泊は、地域経済と地方創生において重要な役割を果たし得ます。

本来、住民の安心・安全の確保と、地域資源を活かした経済活動の育成は、対立するものではありません。

本質を捉えた課題解決の必要性

問題の本質は民泊の仕組みそのものではなく、違法・迷惑運営への実効的な執行体制の不足にあります。その解決のためには、民泊の一律排除ではなく、違法・迷惑運営を排除しつつ、適正事業者が地域と共存できるルール整備が必要です。

いわゆる「ゼロ日規制」は、法令を遵守している届出事業者のみを市場から退出させる一方、無届・違法な民泊への抑止効果は限定的です。実際に欧米地域でも確認されているように、むしろ適正事業者の退出後に違法運営が増加し、地域トラブルが深刻化するおそれがあります。