【開催レポート】 シェアリングシティカレッジ第4回 〜シェアリングエコノミーで地域の関係人口を増やす〜
2022年8月24日に「シェアリングシティカレッジ 第4回」を開催しました。
今回のテーマは、「シェアリングエコノミーで地域の関係人口を増やす」でした。
人口減少局面における日本の社会において、他の自治体から人口を奪い合う戦略ではなく、地域を超えた関わりや関心の深度を高めることによる、いわゆる関係人口の取り組みは国をあげて全国の自治体戦略に取り入れられています。
全国で様々なコミュニティが立ち上がりましたが、それらの活動を継続的に繋いでいき、今後さらに発展していくことが必要です。真の関係人口創出には、官民連携によるコミュニティ形成が大切であり、個人と個人が地域を超えてつながる仕組みの創出や、各地域の活動を、地域を超えて発信する仕組みの創出が不可欠であります。
シェアリングエコノミーの共助の仕組みを活用した関係人口創出についての事例について学んでいきました。
開催概要
- 日時:8月24日(水) 15:00〜16:30
- 登壇者、登壇内容:
- 基調講演①
- 国土交通省 国土政策局 総合計画課 地域・移転班 課長補佐 渡部 洋己氏
- 基調講演②
- 面白法人カヤック ちいき資本主義事業部 事業部長 中島 みき氏
- 基調講演①
-
- パネルディスカッション
- 長野県立科町 企画課 地域振興係長 上前 知洋氏
- 株式会社おてつたび 代表取締役 永岡 里菜氏
- 株式会社AnyWhere 代表取締役 斉藤 晴久氏
- 当協会 地域共生事業部長(シェアリングシティ推進協議会事務局長) 鏡晋吾
- パネルディスカッション
第1部:基調講演①
第1部として、国土交通省 国土政策局 総合計画課 地域・移転班 課長補佐 渡部 洋己さんより基調講演をいただきました。
テーマは「新たな国土形成計画の策定に向けた関係人口の拡大・深化の検討」になります。
こちらは関係人口の実態をまとめた図になります。約2,078万人いる関係人口の中でも訪問系と非訪問系に分かれ、訪問系の中でも地域との結びつきの強さの差異があることがわかっております。
また関係人口の年齢分布や、きっかけ、関わりを続けたいと思う理由についてまとめたデータをまとめたものになります。
関係人口データに関する相関を分析した結果によると、過疎地域において、地域おこし協力隊の数との相関関係が見られることがわかってきております。
関係人口が卓越している市町村を対象にしたアンケート調査によると、取り組んできた年数が長いほど効果が出ていることがわかります。
最後に、関係人口の拡大のためには、地域と関係人口になり得る人をデジタルを活用して繋ぐことが大事とのことです。
つぎに、面白法人カヤック ちいき資本主義事業部 事業部長 中島 みきさんより基調講演をいただきました。
関係人口の動向について、3つの視点から話していただきました。
第2部パネルディスカッション
第2部として以下のメンバーにてパネルディスカッションを行いました。
- 長野県立科町 企画課 地域振興係長 上前 知洋氏
- 株式会社AnyWhere 代表取締役 斉藤 晴久氏
- 株式会社おてつたび 代表取締役 永岡 里菜氏
- 当協会 地域共生事業部長(シェアリングシティ推進協議会事務局長) 鏡晋吾
まず、長野県立科町の上前様より、町で取り組んでいる関係人口創出の事業について紹介いただきました。
株式会社AnyWhereの斉藤様からは、人でつながるワークプレースプラットフォーム「Team Place」の紹介や、地方自治体との事例の紹介をいただきました。
最後に、株式会社おてつたびの永岡様より、事業の紹介や全国の地域での事例紹介をしていただきました。
ディスカッションの一部をお伝えします。
ーー鏡:利用者の立場から、地域と関係を持つ第一歩のハードルを下げる仕組みで工夫している点があればお聞かせください。
ーー斉藤:地域の場所だけじゃなくて、どれだけ情報を付加できるかということが大切だと思っています。どういう人がいて、どういう取り組みをいているというのがわかると、ではそこに行ってみようというきっかけになると思っています。
ーー永岡:カジュアルに地域に関わる接点を持ってほしいと思っています。おてつたびを体験してみたいからという動機で、地域と接点を持つ方が多いように思います。
ーー上前:過去のイベントの様子や、参加者のインタビューを動画にしてYoutubeに上げることで、次に参加する方にイメージがつきやすいということがあるようです。
本カレッジの動画や資料等の詳細は会員専用ページからご覧いただけます。
次回は9月21日(水)に「地域内の公共施設・空き家・空き地等のシェアによる活用」をテーマに開催します。
ぜひこちらもご参加のほどお待ちしております。
シェアリングシティカレッジ第5回の詳細はこちら。