会員企業のサイバーエジェント・クラウドファンディングとクラウドリアルティ、自民党IT戦略特命委員会でプレゼンテーション実施
自由民主党IT戦略特命委員会(特命委員長・平井卓也衆議院議員)が主催する新プラットフォームビジネス小委員会第4回(全7回)が3月17日、自民党本部(東京・千代田区)で開催され、シェアリングエコノミー協会理事の株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング代表取締役社長・中山亮太郎氏(東京・渋谷区)と同一般会員の株式会社クラウドリアルティ代表取締役・鬼頭武嗣氏(東京・港区)が自社サービスについてのプレゼンテーションに臨みました。
新プラットフォームビジネス小委員会は、IT技術を利活用した新規プラットフォームビジネスやシェアリングエコノミーの方向性について積極的な議論を行う場として設置されました。多様なジャンルのシェアリングエコノミー関連企業を招聘(しょうへい)し、サービスの現況・課題などをヒアリング。日本におけるシェアリングエコノミーの普及を推進します。
これまで参加した企業は株式会社スペースマーケットのほか、軒先株式会社、株式会社ココナラ、株式会社Asmamaとシェアリングエコノミー協会会員が名前を連ねます。
面白い新製品続々!大企業もテストマーケティングとして Makuakeを活用
第4回勉強会で紹介された株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングの「Makuake」は、新しいコンセプトの試作品を出品するメーカーと欲しい製品を予約購入したい消費者を結び付けるサービス。メーカーにとっては量産資金を事前に獲得でき、ユーザーにとっては新製品をいち早く購入できる点がメリットです。また、潤沢な資金のある大企業もMakuakeを利用するといった事例も。試作品の段階でMakuakeに出品し、ユーザーの需要や意見を参考にしたテストマーケティングとして活用されています。
Makuakeで取り上げている製品にはハードウェア製品、ファッション製品、インテリア製品、飲料・食料品など多岐に渡ります。
なぜ、メーカーはMakuakeを活用するのでしょうか。その背景として「量産して製品化するまでのリスクが高いから、事前に顧客ニーズを把握したいのでは」と中山氏は指摘します。
本当に売れるのか、プロモーションはどうするべきか、製造資金をどうするのか、売れ残りが発生しないかといった課題は、メーカーが量産化を判断する段階で必ず出てきます。量産への意思決定は、メーカーにとって悩ましい課題。そのリスクを解決する有効な手段をMakuakeが担っているといえます。中山氏はMakuakeを活用することで「思い切ったコンセプトの新製品が出しやすくなる。面白い製品が世の中に次々と生まれ、日本から世界的企業が誕生してほしいと思っている」と話します。(当日の発表資料は、こちら。)
投資型クラウドファンディングの“クラウドリアルティ”はエストニアでも展開
続いて紹介された株式会社クラウドリアルティの「クラウドリアルティ(Crowd Realty)」は、不動産を対象としたクロスボーダーの投資型クラウドファンディング・プラットフォームサービス。インターネットを活用し、個人の遊休金融資産と地方の遊休不動産などの資金需要をマッチングします。
人口減少により空き家など地域の遊休不動産は増加していますが、リノベーションには資金が必要です。しかし、そうした物件は借り手の個人保証なしでは銀行からの融資を獲得しづらい課題を抱えています。
一方、日本では個人の金融資産の半分以上が預金として保有されており、個人の資産運用は休眠状態とも言えます。
この両者の課題解決を目指して鬼頭氏が立ち上げたのが、クラウドリアルティのクラウドファンディング・プラットフォームなのです。
また、グローバルな金融環境でも、日本はいくつかの課題を抱えています。既存の不動産市場における海外投資家の存在感は大きくなる一方、海外に向けた日本のマーケティング活動は法規制などにより出遅れているのが現状です。
クラウドリアルティは海外不動産ファンド案件に対しても、現地の不動産ファンドやクラウドファンディング・プラットフォームが組成した不動産投資案件に対し、投資を実施。エストニアに子会社を設立し、欧州でのサービスを展開しています。
議員からの「なぜ、エストニアなのか」との問いに対し、「エストニアはインターネット投融資の先進国。法規制が整備されていて、事業を展開しやすい。ブロックチェーンを使った社会インフラもある」と鬼頭氏。数年内には、国内同様にクラウドファンディングを活用した自社での証券化を目指したいと事業構想を発表しました。(当日の発表資料は、こちら。)
次回、株式会社エニタイムズと株式会社クラウドワークスがプレゼンテーションを行います。