【SHARING NEIGHBORS 開催レポート】  シェアサービスを使って模索する新時代の暮らし方・働き方

【SHARING NEIGHBORS 開催レポート】 シェアサービスを使って模索する新時代の暮らし方・働き方

SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019」と題し、9月11日(水)〜22日(日) の期間、渋谷区で様々な催しが行われています。その中で2019年9月20日(金)渋谷区観光協会と共同でイベントを開催しました。

今回は会員増枠募集がかかってもすぐに埋まると話題の月額4万円から住み放題 “多拠点コリビング” ADDressとのコラボ企画で、渋谷キャストでの屋外イベント!

SOCIAL INNOVATION WEEK のテーマは NEW RULES ということもあり、 様々なシェアサービスを活用した新時代の暮らし方、働き方についてのトークセッションを行いました。

*登壇者

《モデレーター》
渋谷区観光協会 事務局長 小池ひろよ氏

2018年4月一般財団法人渋谷区観光協会 事務局長に着任。(社)渋谷未来デザイン Project Directorを兼務。2016年より(社)シェアリングエコノミー協会事務局次長・(株)スペースマーケット 社長室ブランド戦略などに従事。旅行業業界に7年在籍した経験からエリアブランディング(地域活性)・コミュニケーション領域を軸に活動の幅を広げる。渋谷区在住。

 

《スピーカー》

Quora エバンジェリスト 江島健太郎氏

ソフトウェアエンジニア。香川県に生まれ、6歳よりプログラミングを独学、京都大学工学部卒業。外資系企業に就職後、スタートアップの米国進出のためシリコンバレーへ渡米。iPhone無料アプリ総合ランキングで米国トップ5入りを果たす。ニューヨークにてEast Meet East創業を経て帰国、現在はシリコンバレーのユニコーン企業Quora社の日本進出を担当。

 

株式会社アドレス 内田陵氏

福岡県小郡市出身。一橋大学商学部卒業後、博報堂に入社。博報堂DYホールディングスに出向し、グループの経営企画を担当。その後、ポート株式会社地方創生支援室にて全国各地の地方創生案件に携わり、人口減少社会の課題と向き合う。2019年、空き家活用による新しい住まいのあり方を提供するADDressに参画し、拠点開発とコミュニティ構築に従事。

 

シェアリングエコノミー実践家 加藤こういち氏

シェアエコ800回以上使ってミレニアル世代の幸せな生き方を研究中のフリーランス。 4年前に上京して孤独→シェアエコで孤独を解消→家、仕事、人間関係をシェアでまかなう生活に。 月間5千万PV超の大手メディア「ビジネスインサイダージャパン」でシェアリングエコノミーの連載記事を担当。シェアリングエコノミー協会発のオンラインサロン「SHARING NEIGHBORS」の事務局も務める。

*トークセッション

全国各地の地方創生案件、人口減少社会の課題と向き合い、ADDressの全国の拠点開発を担うと共に、住人の方々のコミュニティを構築する内田さん。

内田:

7月に清川村で1ヶ月家守をしていたのですが、利用者、地域の方と一緒につくっている感覚がしました。自治体との連携にも力を入れているのですが、一番要望が多いのは「空き家を活用して欲しい」ということ。定住や移住は難しくても、アドレスのような関係人口を増やすサービスは、これらの課題も解決することが出来ます。

別荘でも民泊でもない、アドレスで大事にしていることは、地元の人も集まるような仕組み作り、つまり地域に根付くこと。(そのためには体験を伴う必要があってTABICAのようなサービスは相性が良いですね。)

面白いのが、拠点によって色が違うことや、自分たちが想定しなかった使い方をされることも多く、会員間の情報共有も活発に行われています。一緒に旅行に行くこともあるそうですよ。

IT企業で華々しい活躍をされながら、日本でも新たな暮らし方・住み方に挑戦されている江島さん。海外で様々な体験を積み重ねたことで、とあることに気付いたそうです。

江島:

今、空き家問題と共に、社会的な孤独、孤立が問題になっています。それはもしかしたら「核家族という形に縛られているからではないか?」と思うんです。例えば、生涯平均7回も引っ越しする海外の人に対して、圧倒的に日本人は引っ越しが少ないんですよね。たしかに、家族ごとに新築を建て、家具も新調して…、という暮らしは一般的だけど移動がしにくいのもの。ですが歴史を遡ると、核家族というかたちは実は戦後の成長期に出来たもので新しく、世界的に見てもどんどん昔のような、一つ屋根の下で助け合う長屋文化のように戻っていく流れな気がするんです。

ここ数年働き方が変わっているように、きっと暮らし方や家族のかたちも、変わるはずだと思うんですよね。

それに対して、シェアリングエコノミー研究家の加藤さん。シェアエコサービス利用実績がもうすぐで1000回になる彼だからこその視点で、こう話されました。

加藤:

僕も上京当初は、せっかく東京に来たのに孤独を感じていました。

だけど、個人間通しでやりとりをするシェアサービスを使っていると、そこに自然とコミュニケーションが生まれ、感覚的に、50人に一人のペースで友達になるということに気付いたんです。今では都内にいながら、地方のローカルコミュニティと似たような生活をしている気がします。

中でも一番人間関係を築けるのは、タイムチケットのような 対面でスキルを提供するシェアサービスです。またシェアエコ同士のコラボという質問に対しては、スペースシェア×対面スキルシェアの相性が良いです。理由は、スペース内で自然なつながりを発生させるためにスキルシェアのつなげる効果が使えるからです。

渋谷区観光協会、モデレーターの小池さんからは、母親ならではの視点で

小池:
今まで場所を選ばず働ける職業といえば、WEBデザイナーやエンジニアなどと、限られていましたが、シェアサービスの誕生で、そうじゃなくても自由に仕事が出来るようになりました。安く使えるというメリットもありますが、加藤さんが仰っていたように、新たなつながりを作ることも出来ます。また、アドレスのような多拠点生活は、利便性だけでなく、心理的安心感にも大きく影響すると思います。

私は今渋谷で家族と暮らしていますが、子供を連れて「来年の夏も来ますね!」と帰れる場所が複数あった方が良いですし、例えば、万が一のことがあった時も同じ。頼れる先が1ヶ所よりも10ヶ所の方が安心出来る…。

つい最近では、千葉県の台風15号の被害支援をアドレスチームは行なっていましたね。

 

内田:
はい。南房総の家守さんを励ましに支援に行きました。たしかにいざという時に心配してくれる人がいるというのはもちろん安心出来ますが、その際に僕は「心配できる人がいる」という感覚もあるなって。与えているつもりが受け取っている感覚にもなりました。

安心出来る場所、第2、第3のふるさとをつくった方が心の余裕が出来る。だからこそ、もっと会員の顔がわかるようなシステム等も作っていけたらなと思いますし、とにかく拠点数を増やしたい。引き続き年内50ヶ所を目標に活動していきます!

 

江島:

僕もアドレスの一ユーザーでもあるのですが、常に意識していることは、なるべく物を持たなないようにすることです。気付いたら、スーツケース2個で、タクシーだけで引っ越しが出来てしまうほどになりました。家具はCLASというサブスクリプションサービスを利用し、その時期使わない荷物はサマリーポケットという収納サービスで預けています。

 

加藤:

僕も今のシェアサービスだけで生活する生き方を極めていきたいですし、これはいろんな分野に応用、横展開出来ると思うんです。シェアエコは企業側のパワーで広めていて、個人で広める力はまだ弱いです。自分も弱い一人ですが、強い個人になれるように頑張っていきたいです。その人にとっての「最善なシェアサービスが何か?」個人がシェアサービス活用の際に迷わないような情報発信をしていきたいです。

 

小池:

どうしても今の関係人口は 「東京の人が地方の人に何かをしてあげる」というイメージが強いですが、もっと双方で仕事をつくることだって出来ると思いますし、地域から都心に来る人がいないとシェアリングは成立しません。

2030年には複数拠点が当たり前になると言われている中、きっと今後たくさん課題も出てきます。そんな時に渋谷区では、行き先を示してあげられるような、観光案内所というよりも、“関係案内所” を作りたいですね。

 

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