タクシー不足問題等に対する当協会の見解
昨今の観光需要の回復とタクシー運転手の減少に伴い、都市部や観光地では深刻なタクシー不足が発生しており、その解決策の一つとしてライドシェアに関する制度議論が始まろうとしています。
ライドシェアは需給ギャップを解消する策の一つではありますが、すべての地域にとっての共通解というわけではありません。都市部と地方部、地方部でも観光地と過疎地とでは、移動ニーズも、課題も、解決策も異なります。そうした地域性を踏まえて、ライドシェアありきではなく、多様な移動の選択肢の中から、地域の特性に合った解決策を模索していくことが重要です(※)。既存の自家用有償運送制度の活用促進策や、タクシー運転手の担い手を増やしていくために必要なタクシーの規制緩和についても、並行して検討されるべきだと考えます。
※ライドシェア以外にも、移動に必要な車体や移動空間を複数人で共有するモビリティのシェアリングには、様々なサービスが存在し、いずれも移動手段の供給不足に対する解決策になりえます。
ライドシェアの制度化に際しては、運行の安全確保や犯罪の防止のための仕組みづくりが不可欠です。一般的に、諸外国では、ライドシェア事業者を政府の規制下に置き、ドライバーに対する講習の実施、犯罪歴の確認、健康状態の確認、保険付保の確認などを義務づけることによって、安全性の確保を図っています。
PDF資料
https://sharing-economy.jp/ja/wp-content/uploads/2023/09/986bb36b364a3abc33e4a9242fd6830d.pdf
諸外国の法制度を参考にしながら、安全な「日本版ライドシェア」の制度のあり方が検討されるよう、当協会としても研究・提言を行っていきたいと考えています。