自治体向けシェアワーカー育成プロジェクト開催報告 〜 岡山県 玉野市 〜
2023年11月22日と、2024年1月16日〜2月20日にかけて、岡山県玉野市で「在宅ワーク入門セミナー」と「在宅ワークスキルアップセミナー」を、子育て中の女性、在宅ワークに興味のある方向けに開催しました
この講座は、玉野市が実施する「玉野市在宅ワーク就労支援業務」を、2021年より当協会が自治体向けに提供している「シェアワーカー育成プロジェクト」として受託し、開催した企画です。
「シェアワーカー育成プロジェクト」とは、自治体の皆様と連携して各地域に住みながら自身のスキルや経験を活かしてオンライン上で働く個人を育成していく取り組みです。
在宅ワーク入門セミナー (2023年1 1月22日 開催)
<実施内容>
①在宅ワーカーに必要なスキル・環境
②在宅ワーク業務に必要となるソフトの紹介
③他地域の参加者在宅ワーカー(鳥取県在住子育て女性)による体験談
④仕事受注の方法・流れを紹介
在宅ワークスキルアップセミナー(2024年1月16日〜2月20日開催)
<実施内容>
第1回 Googleツール使い方講座
第2回 Microsoft Office 使い方講座
第3回 ビジネスメール・チャットツール講座
第4回 各種書類作成講座(請求書・見積書・領収書等)
第5回 就業エントリー文章作成・添削講座
第6回 実際の仕事にエントリーしてみよう
統括
入門セミナーでは55名のお申し込み、スキルアップセミナーでは37名のお申し込みをいただきました。今回は特に子育て中の女性参加者が多く、通勤時間等に縛られず、家事育児と並行して行うことのできる業務であるという点に魅力を感じていただいていました。
今回は入門セミナーでは働き方の事例を紹介し、スキルアップセミナーではオンラインでの働き方の際によく使用されるチャットツールやGoogleツール、MicrosoftOffice等に触れていただく講座から最終的にはオンラインで業務を受注するところまでを実際に講座期間中に実施しました。
アンケート結果
アンケート回答者35名中20名が満足と回答。やや満足と合わせると80%以上が満足の評価となりました。
アンケート回答者の半数がこれからテレワークを実践する予定があると回答。今後、最も興味のあるテーマは事務代行、次いでライティングという結果になりました。
成果
① 普及啓発面
入門セミナーで55名のご参加をいただき、多くの方にテレワークや在宅ワークについて知っていただく機会を提供できました。オンライン広告をご覧になった方や、チラシを手に取っていただいた方、広報誌をご覧になった方など、それぞれの集客方法で多様なターゲットにリーチできたかと思います。
② 講座開催面
実際に子育てをしながら在宅ワーカーとして働く講師を現地に派遣することで、保育園に関する疑問や子育てと仕事を並行する不安などを親近感を持って相談いただくことができたのではないかと考えます。また、実践セミナーでは毎回7~8名の方が現地にお越しくださり、参加者同士でも質問し合うサポート体制ができました。オンラインでの働き方は、同僚や上司が近くにいないため、相談できる仲間がいないことから離脱してしまうワーカーさんが多い中で、同じ地域で支え合うコミュニティが醸成されつつあることは参加者の皆様にとっては大きな安心材料になったのではないかと思います。実際に最終回では「これからもみんなで集まれるといいよね!」などという声が上がっており、参加者同士の交流も深まっていました。
③ 就業面
リアルタイム参加者の全ての方が単発の業務受注に成功し、3名の方が継続的な業務の受注に成功しました。それぞれの得意を生かして、事務業務を受注された方や、語学に関する業務を受注された方や、SNSの運用を受注された方がいらっしゃいました。オンラインでの事務経験が全くない中で、短期間で継続業務を受注できたことは他の参加者の方々にとっても良い刺激となりました。
岡山県玉野市との連携について
玉野市は、当協会が全国170参加自治体(2024年2月17日時点)と運営する協議会に参加し、公助を「共助」で補完しサステナブルな自治体を実現しようとする試み「シェアリングシティ」を推進している自治体でもあります。
今後も中長期的な玉野市のまちづくりビジョンを念頭に置き、その一つの取り組みとして、本事業参加者へのフォローや就業機会提供を通した、モデルケースとなるワーカーの育成・事例共有と、玉野市に住みながら子育て中の女性や、在宅ワークに興味のある方が、全国で活躍できるという多様性ある働き方・暮らし方の環境整備を進めてまいります。