真鶴町

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基本情報

自治体名:神奈川県足柄下郡真鶴町
都道府県:神奈川県
自治体規模:町 / 村
自治体HP:http://www.town.manazuru.kanagawa.jp

シェアリングエコノミー活用の取り組み

概要

【就業機会の創出】

過疎地域における「人口減少(特に若年女性人口)」の解決に向けて、
クラウドソーシングの仕組による仕事の場づくり開拓と自走チームの形成を目指した試行を実施。

取組主体:真鶴町

導入前の状況 (課題)

  • 2017年4月に神奈川県初の過疎地域に指定された(指定時点の人口7,519人)。
  • 特に2010年~2040年における真鶴町の若年女性人口の(減少率-70.41%)が、国(-36.21%)や神奈川県(-32.02%)より高い。
  • 仕事のある近隣市町へ転出する傾向が加速。
  • 人口ビジョン策定におけるアンケートにおいて「少子化に対する支援策」、 「居住不満足要因」等においても雇用と収入の安定が上位で指摘。
  • 若年女性人口の「働き場」から「働き方」を開拓することが重要な課題。

課題に対する取組

  • 真鶴町総合戦略(地方創生)において、「スタートアップタウンの推進」「ICT関連事業者の振興」、「地元雇用・創業支援の推進」等を位置づけ、サテライトオフィス誘致等の対策に着手。
  • 1日に働ける時間が限られている子育て主婦等が働けるカタチとしてスキルシェアのクラウドソーシングを試行。
  • 「お試しワーク」の実施にあたり、シェアリングエコノミー(クラウドソーシング等)について普及啓発するセミナーを計3回開催し、町民に『新しい働き方』があることを周知。その中からお試しワークの参加者を掘り起す。
  • 同時に「真鶴町の就業に関する意識・実態アンケート調査」を無作為抽出1,000人と町内の幼稚園・保育園の父母113人にも配布し、計250人回収。真鶴町で求められている「働き場」「働き方」について、 課題を検証。

導入後の状況 (取組の効果)

  • お試しワークに計7名(男性1名、女性6名)が参加、幅広い世代・立場の参加者のもと事業(1/10~2/15)を遂行。
  • 体験者の中で大きな割合を占めていた子育て世代の主婦をはじめ、参加者全員が働き甲斐や生活にはりが生まれたことを確認。試行事業の最大の目標であった「チームで仕事を受注する」自走組織の組成に向けた環境を整えることを実現。
  • 副次的発見として、子育て主婦だけでなく、ケガや病気から社会復帰を目指す人にとっても「自分の生活を中心に仕事をする」クラウドソーシングの仕組が効果的であること、同じく、自宅でのテレワークではなく、自宅外で日々の生活から抜け出す「働き場」 をつくることで、気分転換やコミュニティとのつながりが生まれ、より良い生活ができたことを参加者から確認。
  • 事業目標であった自走組織の組成と社会とのつながりや気分転換となる「働き場(施設)」づくりの必要性を検証できたことから、本試行を受けて、今後取組の本格稼働の実現を目指す。

取組のポイント

サービスの認知度向上のための取組

  • 「シェアリングエコノミー」という言葉が町民には馴染みがない為、「真鶴町の新しい働き方」という形で広く周知・呼びかけを行い(町のWebページや広報・メディアへのリリース等)、セミナーを計3回開催。特にお試しワークの説明会を兼ねたセミナーは、希望者の可能性を広げるため、同じ内容で2回実施。また、子供が預けられない等、お試しワークに参加できない方々にも道を切り開くため、クラウドソーシングによる新しい働き方セミナーを1回実施。

サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組

  • 上記「新しい働き方」セミナーを通して、ワーカーを掘り起こし、また、仕事の提供はクラウドソーシングのプラットフォーム会社ではなく、「地方の働き場を開拓する」社是を掲げるICT会社を調達し、同じ志のもと、本事業終了後も仕事を提供する意向のあるパートナーを発掘することを実現。

スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組

  • シェアリングエコノミーが理解しづらいことから、Webページや広報・新聞記事といった文字媒体だけでなく、セミナーという形で実際に取組を行っている当事者から具体的な内容や映像で理解する機会を多く提供することを意識。

サービスの安全・安心を確保するための取組

  • お試しワークの勤務場所について、建物の信頼性がある公共施設(コミュニティセンター)を活用し、また勤務オフィスについては電子ロックや監視カメラ等のセキュリティシステムを構築しサービスの安全・安心を確保。

補完・連携した既存の公共サービスの内容

  • 子育て世代に少しでも多くシェアリングエコノミーによる新しい働き方を知ってもらうため、計3回のセミナーにおいて、町の託児ボランティア制度を活用し、セミナー開催中の子供一時預かりを実施。また、シェアリングエコノミー伝道師をセミナー講師として招聘。

広域連携のための取組

  • お試しワーク説明会を兼ねた新しい働き方セミナー2回において、鳥取県智頭町における取り組みをTV会議でつなぎ、実際に働いている主婦の方々の生の声を意見交換ができ、セミナー参加者の方々の理解・イメージが大きく深まった。

残された課題、継続取組事項

  • 「自分たちでチームを形成し仕事を受注する」という自走チームの元となるグループを形作れたので、 このグループを母体に取組の本格稼働を推進。
    →全体数が少ないことからR1年度に人材育成事業を実施。人材開拓を引き続き行う。またサテライトオフィス誘致によるシェアエコ業務を1件開拓成功。
  • お試しワークにおいて、拠点となるオフィスの必要性、必要な設備・機能・立地について参加者から 多くの知見・意見を収集し検証できたことから、本格稼働に向けて施設整備の実現を目指す。→同じくサテライトオフィス誘致成功により、拠点施設が要望されていた場所にて1件開設。

連絡先

真鶴町
政策課
矢部 文治
sei_senryakusuishin@town.manazuru.kanagawa.jp
0465-68-1131(内線351)

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