鯖江市
基本情報
自治体名:福井県鯖江市
都道府県:福井県
自治体規模:市
自治体HP:https://www.city.sabae.fukui.jp
シェアリングエコノミー活用の取り組み①
概要
【観光振興】
体験やスペース共有型のサービスを活用し食文化と工芸のツーリズムを実現。利用者目線で「地域住民」と「よそ者」が共同で取り組むことで、満足度が高くより深い交流を促進。
取組主体:鯖江市、NPOかわだ夢グリーン、慶應義塾大学大学院
導入前の状況 (課題)
- 福井県越前の伝統工芸5産地(漆器、焼、和紙、刃物、箪笥)や眼鏡、繊維などの産業を生かした産地巡礼型の体験型観光開発を支援
- 生産地ということもあり、工房見学の日程手配の負荷が大きい
- 公共交通機関はコミュニティバスがあるが、住民向けのため運行時刻や周遊性で課題
- 工房見学や視察などの受入れが集中するケースがあり産地の職人や企業にとって負担になる事があった
↓
サテライトオフィス事業やインバウンド促進などの交流人口増加を目指した施策推進において差別化や滞在時の利便性・満足度向上が必要
課題に対する取組
- 視察や体験の「定番」「季節性」のある受入れメニューを体験型シェアエコとして登録
- 地域住民の持つ車やスペースなどを活用し、受入れの経済的なメリットを創出
- シェアメニューを案内する地域ガイドを置くことで、体験可能なサービスを複数紹介。「ついで予約」による利用の向上や予約分散を図る
- 地域おこし協力隊や移住者などの「よそ者」視点を入れたサービス開発を行うとともに、ITスキルが必要なシェアエコサイトへの登録を支援
導入後の状況 (取組の効果)
- 受け入れメニューの可視化や報酬の設定により、大学や企業の研修や取材が組み立てやすくなった。(視察者自ら組み立てることも可能に)
- 毎年受け入れている留学生のプログラムが充実し、滞在時間の増加と満足度が向上
- カーシェアの活用により活動範囲が広がり、広域での地域文化体験が可能に
- 実際の制作現場を体験することでリアリティを感じ、価値が伝わりにくい工芸や地域産品の消費を促進
- 視察や観光受け入れに必要なコンテンツ(宿、車、体験など)を地域住民がシェアエコプラットフォームを通じて提供することで直接収入が生まれ、これがモチベーションとなり新たなコンテンツ登録を行う住民が増加
- 地域の宿泊施設がシェアカー、体験サービスシェアを始めたことが、シェアエコプラットフォームを通じた新たな集客および単価向上に寄与
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- 市内のシェアエコサービスを紹介する地域ガイドを置くことで、民泊と体験、カーシェア、スペースシェアなどの相互誘客が可能となり、滞在日程の調整や複数サービスの利用を促進。
- 「地域で稼ぐ、解決する」をテーマにシェアエコ入門編のセミナー、ワークショップを地域住民向けに実施。シェアエコ運営事業者から講師を招聘し、プラットフォームの使い方や活用事例を中心としたセミナーと、参加者自身がシェアしてみたい事をワークショップ形式で考えることでサービス認知度向上に取り組んだ。
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 地域おこし協力隊や移住者などのITがわかる「よそ者目線」を持つ地域コーディネーターを活用してサービスを開拓、利用者の満足度の高いサービスをラインナップ
- セミナー、ワークショップの参加者の中でホストとなり得る方をアンケートなどで把握し、プラットフォーム登録や運営フォローを実施。
- シェアエコ利用経験者を増やすために、地域住民がホストとして提供する体験サービスなどを市の広報誌、SNSで宣伝。サービスの価格を期間限定の体験価格として安価に提供するなど、ゲストの掘り起こしを実施。
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- 2017年度より地域NPO(かわだ夢グリーン)が中心となり、地域の高齢者向けに初心者向けのタブレット教室を行い、シェアエコプラットフォームの利用ができるようITサポートを実施。
サービスの安全・安心を確保するための取組
- シェアリングエコノミー協会が認定する、認証マーク取得事業者を利用することで安全・安心を確保。
法律や条例との整合性を確保するための取組
- シェアリングエコノミー協会が認定する、認証マーク取得事業者を利用することで、法律や条例に基づくサービス提供を実施。
補完・連携した既存の公共サービスの内容
- 2017年度に実施したお試しサテライトオフィス事業やインバウンド促進事業など交流人口増加を目指した施策と連動し、観光だけでなく研修・視察や取材などの企業ニーズを開拓。
- 今後は公共施設や指定管理施設など活用した受け入れについて検討予定。
広域連携のための取組
- 地域NPO(かわだ夢グリーン)と市内に常駐研究者を配した古民家・研究サテライト拠点を持つ慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科を中心に、商工会議所、福井大学などとの産官学連携を活用し、若者・学生、都心部の住民、企業など様々な視点で実証実験を実施。訪問者目線で自治体の枠を超えた、シェアエコも含む既存資源を生かした地域活性について検証中。
残された課題、継続取組事項
- 海外の方は保険の関係でカーシェアの利用ができないため、サイクルシェアや地域公共交通の活用が必須となり自治体をまたぐ連携や運行時刻・コースについて検討が必要。
- さらなる手配の利便性向上と複数サービスの利用促進を目指す「地域内シェアエコサービスのまとめサイト」構築やソーシャルなどを活用した来訪者へのフォローなど、地域住民との「顔」が見えるシェアエコ活用を促進。
- 「農業作付け&工芸体験→収穫・完成」など、地域生活と連動した季節を跨ぐ「コト体験」を充実させることで、単なる視察や観光とは異なる「行って満足」から「また来たくなる」利用を目指す予定。
- 地方では、シェアエコサービス提供者利用者共に少なく、シェアエコ利用経験者を増やす施策として、まずはシェアエコを知るセミナーを継続的に実施する予定。
- シェアエコサービス提供者には地道に個別のサービス登録、運営支援を実施し、利用者向けにはサービス体験会などの施策を継続して定期的に実施する予定。
連絡先
鯖江市
めがねのまちさばえ戦略課
太田 弘純
SC-MeganeNoMachi@city.sabae.lg.jp
0778-53-2263
シェアリングエコノミー活用の取り組み②
概要
【その他】
メガネの産地「鯖江」で「職人顔辞典」による職人によるモノづくりの背景や商人の魅力をシェア、新たなプロモーション手法を提供。
取組主体:鯖江商工会議所、sVision Corporation
導入前の状況 (課題)
- メガネの産地として有名な鯖江は、オンラインショッピングの進展や、SDGsによる大量生産・大量消費のあり方が問われており、モノづくりを担う中小企業が時代にふさわしいものづくりのあり方や商品の魅力の発信が求められている。
課題に対する取組
顔認証アプリ「NameVision」を活用し、モノづくりに対する消費者の新しい出会い方・選び方を実現する「職人顔辞典」のトライアルを実施。
- モノづくりを支える職人の情報をシェアし、認知を図り、消費者への新しいプロモーション・マーケティング手法の実現を目指す。
- 東京の小売店・アンテナショップの消費者は、オンラインで繋がれたイベント会場の職人の映像や画像にスマホをかざすことで、作り手のプロフィールや作業風景等の詳細背景を知ることができる。
導入後の状況 (取組の効果)
- 参加する眼鏡関連企業7社の職人を顔認証アプリNameVisionの「職人顔辞典」に登録し、非接触型のコミュニケーションを可能にした。
- また、東京の小売店・アンテナショップの消費者は、オンラインで繋がれたイベント会場の職人の映像や画像にスマホをかざすことで、作り手のプロフィールや作業風景等の詳細背景を知ることができた。
- 参加企業数:鯖江眼鏡メーカー7社、東京小売店1店舗
- 職人顔辞典登録数件14件
- イベント参加者数:30件
- メディア掲載数:4件
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- オンラインメガネ展示「SAN/CHI2021」に合わせて取り組みをスタートし、プレスリリースを実施及び東京の小売店を顧客に対して案内を実施。
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 商工会議所所属の眼鏡メーカー7社への呼びかけ。
- 東京の眼鏡小売店の参加呼びかけ。
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- オンラインメガネ展示「SAN/CHI2021」に合わせて、デモンストレーションを実施して誰でも取り組みを理解できる場を設けた。
広域連携のための取組
- 今後は全国の商工会議所と連携し、ものづくり企業への横展開を検討。
残された課題、継続取組事項
- 本取り組みは実証実験ということで、デモンストレーションの場を通じて顔認証を実施したが、今後は実際の小売店でのリアルな購買シーンでの利用実績を作り出していく。
- 本取り組みの認知の向上に向けて継続した取り組みが必要。
- 5Gを活用した発展的な活用シーン創造。
連絡先
鯖江商工会議所
経営支援課
課長
田中 英臣
tanaka@sabaecci.or.jp
0778-51-2801
ロゴ画像
