釜石市
基本情報
自治体名:岩手県釜石市
都道府県:岩手県
自治体規模:市
自治体HP:https://www.city.kamaishi.iwate.jp
シェアリングエコノミー活用の取り組み①
概要
【観光振興】
民泊プラットフォームと体験型観光マッチングサイトとの連携による、ラグビーワールドカップ2019™の開催を見据えた観光地域づくり。
取組主体:釜石市、釜石オープン・フィールド・ミュージアム実行委員会
導入前の状況 (課題)
- ラグビーワールドカップ2019™の開催地として、多数の観光入込客が予測されている。当市が建設中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)の収容可能人数は1万6千人であるが、市内の宿泊可能数は約1400人であり、宿泊受入体制の改善が課題。
- 国内外から多数の観光入込客が予測されるが、当市は観光資源が乏しく、周辺地域と比較すると観光分野での脆弱性が見られた。ラグビーワールドカップ2019™を契機に、交流人口の拡大や地域経済の振興を図るため、人と人とのつながりが生まれる釜石らしい観光コンテンツの創出が課題。
課題に対する取組
- 民泊仲介サイトの世界大手であるAirbnbと観光促進に関する覚書を2016年10月に締結。以降、民泊家庭の増加に向けたセミナーの開催や、民泊の実施に感心のある家庭を受入先とした外国人ホームステイの体験民泊を実施。
- 市民がホスト役(鉄人)となり、釜石の地域資源を活用した体験プログラムを創出し、一斉に実施する「Meetup Kamaishi」の開催時にTABICAとの連携プロモーションや、Airbnbと民泊利用促進キャンペーンを実施した。
導入後の状況 (取組の効果)
- セミナーの開催や体験民泊の実施により、民泊の受入家庭が出現しつつあり、教育研修旅行の誘致にも並行して取り組んだ結果、民泊利用者数も増加。
‐ 体験民泊登録世帯数 17世帯
‐ 民泊利用者数 140人
宿泊との接続により、より効果的な経済効果を創出する、滞在型観光プログラムの企画・実施により、ホストとなる市民が、観光を提供する経験値を蓄積しており、積極的に観光促進に繋げる下地の構築によって、観光体験プログラム数が着実に増加している。
‐2016年度 21個
‐2017年度 28個
‐2018年度、2019年度 体験プログラムの数の増加ではなく、質や高価格化に向けて取り組んでいる。
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- 2019年に当市で開催されるラグビーワールドカップを見据えて、外国人来訪者の受入態勢の構築、民泊の利用促進を図るため、Airbnbとの連携により、地元住民が勧める自然散策スポットやグルメ情報等を掲載した英語版ガイドブックを作成
- 市民がホスト役(鉄人)となり、釜石の人や歴史、食などの地域資源を活用した観光体験プログラムを提供する「Meetup Kamaishi」において、TABICAとの連携によるプロモーションに加えて、民泊の実施に興味関心のある家庭を対象に、外国人参加者による体験民泊をトライアル実施
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 民泊家庭の拡大を図るため、他地域でAirbnbを活用して民泊事業を展開しているホストを招聘し、地域住民を対象とした民泊セミナーを開催。また、民泊事業の推進母体となる釜石オープン・フィールド・ミュージアム実行委員会委員の中で民泊コーディネーターを配置し、担当エリアの家庭訪問等を通じて民泊の仕組みの説明を実施。
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- 民泊ホストの負担を軽減し、民泊のハードルを低くする取組として、受入家庭は高齢世帯が多いことから、民泊の受入にかかるAirbnbの必要操作や宿泊者との連絡調整事項について、釜石オープン・フィールド・ミュージアム実行委員内のコーディネーターがサポートし、受入家庭の負担軽減を図っている。
法律や条例との整合性を確保するための取組
- 岩手県が作成した「農林漁家民泊ガイドライン」に則り、当市が従前から取り組んできた漁業や農業等の体験メニューを農林漁家民泊として、運用・展開。
その他
- 大規模災害への対応として、Airbnb登録世帯を非常用宿泊施設として提供する災害対応プログラムを策定予定。
残された課題、継続取組事項
- 一般家庭での民泊受入は物理的・心理的にも負担も大きくハードルが高いことから、地域住民への民泊に対する理解促進を図ることも目的の一つにしつつ、当市では民泊のモデル地域の形成を目指している。具体的には、市内の漁村部の遊休公共施設を改修整備し、地域住民が主体となり町内会等のコミュニティ単位で民泊事業を行う「コミュニティホスト施設」をAirbnbとの連携により展開予定。
連絡先
釜石市
総務企画部総合政策課オープンシティ推進室
藤井 雄聖
fujii2142@city.kamaishi.iwate.jp
0193-27-8463
シェアリングエコノミー活用の取り組み②
概要
【需給ひっ迫の解消】
大規模イベント時における一時的な宿泊需要の増加に対するイベント民泊の活用。
取組主体:釜石市、一般社団法人RCF
導入前の状況 (課題)
- ラグビーワールドカップ2019™の開催地のひとつとして2試合が開催されることとなり、市内への宿泊ニーズが高まった。しかし、当市の宿泊キャパシティはおよそ1,400名とされ、宿泊施設の不足が予測された。
- 宿泊を伴わない観光では、ラグビーワールドカップ2019の開催がもたらす機会と効果を最大化できない。
- ラグビーワールドカップ2019™の開催に協力したい市民への多様な関わり方を創り、市民とラグビーワールドカップ2019™の接点を増やし、レガシーを創造する必要がある。
課題に対する取組
- 民泊仲介サイトであるAirbnbと観光促進に関する覚書を2016年10月に締結し、当市への潜在旅行者の掘り起し、インターネット・プラットフォームの活用に向けたトレーニングを提供を通して、ラグビーワールドカップ2019™及びその後の観光振興に向けて協働
- 宿泊施設不足や市民レベルでの交流の促進として、イベント民泊を実施
- 釜石で試合を行う代表国の言葉や文化等を研修会として実施
導入後の状況 (取組の効果)
- 33世帯がイベント民泊ホストとしてAirbnbを活用して宿泊者を募集。(Airbnbのリスティング管理を委託業者である一般社団法人RCFで実施)
- 23家庭に述べ84名が宿泊した。
- ラグビーを通した国内外の観光客との交流が行われ、ゲスト・ホスト共に満足度の高い宿泊を提供することに繋がった。ゲスト満足度93%(N=15)、ホスト満足度76%(N=21)
- イベント民泊を経て、継続的に民泊を実施できる住宅宿泊事業法の申請を行う家庭が4軒程度あり、Airbnbを活用して継続的に観光客を誘致していくと予測される。
取組のポイント
サービスの認知度向上のための取組
- 市HPでの呼びかけ、市広報誌での呼びかけ、チラシを作成し市広報誌への折込、申込みのあった方からの口コミ
- イベント民泊説明会や呼びかけを商業施設やイベントに合わせて実施、TVや新聞取材の受け入れ
サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組
- 提供者(ホスト)の募集については上記と同様
- ゲストの掘り起しはSNSでの呼びかけや、Airbnbの活用、TV出演など
スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組
- スマートフォンの出来るできないに関わらず、今回は一括して委託事業者が中間支援として管理
サービスの安全・安心を確保するための取組
- 災害時や緊急時、トラブルの対応マニュアルを作製、警察や消防との情報共有の実施(ホストの住所など)
法律や条例との整合性を確保するための取組
- 観光庁への確認
- 管轄保健所との実施要綱の事前確認
残された課題、継続取組事項
- 民泊ホスト同士が自立的につながり、継続的に実施する中で、悩みや課題をホストコミュニティの中で自立的に解決したり、仲間を増やしたりするつながりの構築
連絡先
釜石市
総務企画部総合政策課オープンシティ推進室
藤井 雄聖
fujii2142@city.kamaishi.iwate.jp
0193-27-8463