伊豆の国市

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基本情報

自治体名:静岡県伊豆の国市
都道府県:静岡県
自治体規模:市
自治体HP:https://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/

シェアリングエコノミー活用の取り組み

概要

【就業機会の創出】

“温泉のある暮らし”を目指し、地域・自治体・民間事業者が連携する「伊豆長岡温泉ミライ会議」の社会実験の一貫として、地域課題の解決に、外部人材を活用することで地域の価値を再定義しまちづくり事業を創出。

取組主体:伊豆長岡温泉ミライ会議、伊豆の国市、特定非営利活動法人図的表現活用研究所

導入前の状況 (課題)

  • 伊豆の国市にある伊豆長岡温泉は、大正時代から多くの文豪や政治家の別荘地として栄え、戦後から昭和後期にかけて多くの観光客で賑わっており、温泉街の中心的な旅館宿泊業は、関連する産業も多く裾野の広い産業で地域の主要産業に位置づけられていた。
  • しかし、近年の旅行ニーズの変化や施設の老朽化、担い手不足などもあり、温泉街のシンボルだった「南山荘」の休業をはじめ、廃業する旅館が増加し、宿泊数は平成3年度の128万人から徐々に減少し、現在は70万人前後を推移。
  • 旅館等の跡地は放置または住宅地として開発が進み、温泉街の景観が失われつつあり、これまでは行政に任せきりの観光施策だったが、予算面からも施策自体が行えず、民間や地域としても厳しい状況が続いている。

課題に対する取組

  • 市の代表的産業である観光業の中心地である伊豆長岡温泉の再生を目指し、継続的に実施されている温泉場お散歩市をさらに発展させるべく、地元人材による関係人口創出として、コロナ禍で各部活での活動場所を失った地元高校生ボランティアを採用。
  • また、首都圏人材との関係構築から定住人口へのシフトを目的に、伊豆長岡温泉ミライ会議が進める地域の未来ビジョン策定とそれに関連する社会実験のプロセスや実施イベント情報の発信を行うWebサイトを年度内に開設予定。
  • 社会実験をサポートする外部人材マッチングとして、二拠点居住やワーケーションなど、多様化する働き方に関心がある人材や社会実験をサポ―トできる専門家を広く集め、地域内外の人材と伊豆の国市を繋げるマッチングイベント「地域課題解決型ゼミ伊豆長岡温泉大学」を開催。

導入後の状況 (取組の効果)

  • 地元高校生は毎回20~40名が参加し、地域の仕事や交流を体感。
  • Webサイト制作は外部人材(首都圏在住・地域ブランディング、デザイナー)が担うことで外の視点を取り入れ、年度内のリリースを目指す。
  • また12月には社会実験の一環として、“温泉のある暮らし”を目指したエリアビジョンづくりに挑戦する1泊2日のフィールドワークを実施。未来ビジョンのテーマ素案にある「交流人口・定着人口・周遊人口・滞在時間」を切り口に、行政に頼らないまちづくり、地域や地元民間事業者による持続可能な事業基盤の確立を目的とし、東京・神奈川など首都圏から約20名が集まり、フィールドワークやアイデアソンを通して地域の価値を再定義。
  • 次年度以降も継続した取り組みとし、各関係者が地域資源や人的資源を発展的に共有することでシティプロモーションと併せ、ワーケーション事業、移住促進事業などを推進していく。

取組のポイント

サービスの認知度向上のための取組

  • 伊豆長岡温泉ミライ会議のプレサイトリリース。
  • 伊豆長岡温泉ミライ会議のFacebook、Instagramのページ開設。
  • 市の広報に合わせたワークショップ通信配布、各種媒体を活用したプレスリリース配信。

サービスの提供者(ホスト)・利用者(ゲスト)掘り起しのための取組

  • 3つの協働者(手伝い、事業者、共有者)を発掘すべく、リアルとデジタルを組み合わせた掘り起こし活動を実施。
  • 東京、伊豆長岡温泉を繋いだオンラインイベント等の実施には専門の民間事業者として㈱トレジャーフットに委託した。
  • アンケート実施による3つの協働者の掘り起こし、フリーランス協会のSNSでの告知、各種媒体を活用したプレスリリース配信。

スマートフォンなどを使うことができない利用者向けの取組

  • 各種イベントや社会実験では紙媒体によるアンケート調査等を実施。
  • 大きな模造紙に書いた期待の樹に付箋で想いを張り付けるアンケートを実施。

民間事業者のサービスを利用した場合)公平性の確保のための取組

  • エリアプラットフォームには行政も参画し、事務局もまちづくりNPOが担い、公共性や公平性をできる限り担保した取り組みとした。
  • 民間事業者のサービスを利用する場合、複数見積書のチェックや随意契約の場合の理由の明確化などに努めた。

サービスの安全・安心を確保するための取組

  • 利用者・参加者のレベルに応じた、個人情報確認を実施。フィールドワーク参加者から経歴書を回収し、面談を実施。
  • シェアサイクル等の社会実験については損害賠償保険への加入を必須とした。

法律や条例との整合性を確保するための取組

  • 事業実施に当たって、補助金の所管官庁である国交省に相談。

補完・連携した既存の公共サービスの内容

  • 行政による各種法定計画との整合性をチェックし、行政等による観光誘客・創業支援の取組などを踏まえた事業検討を行った。

広域連携のための取組

  • 地域人材と都心の人材の交流・シェアとしては広域連携そのものである。
  • お散歩市自体の出店も市内事業者に限定せず、利用者も近隣市町村の住民も対象とし、各種メディア(新聞・ラジオ等)告知。
  • 同じ定住自立圏を構成する他の自治体と情報交換・オンラインイベントを開催し事業を紹介。

その他

コロナ禍による事業となり、リアルの取組とオンラインの取組の長所短所を意識しつつ、効果的な事業を常に意識した。
都心人材のノウハウや発想を、地域人材がリアルに触れることで、地域の目に見えた改善や参加者のモチベーションの向上がみられた。

残された課題、継続取組事項

  • プラットフォームで練られた事業アイデアを実行し、持続的な取組としていくための資金と運営体制づくりが継続的な課題であり、そのために、令和3年度の早いタイミングで、プラットフォームをベースとする法人格を有するまちづくり組織の立ち上げを計画している。
  • 持続的な事業として既存のお散歩市事業に併せて、関係人口創出の取組として地域課題解決型ゼミ伊豆長岡温泉大学を定期的に開催し、地域での創業支援や事業発展を図る。

連絡先

伊豆の国市
観光文化部観光課
小川 彰弘
kankou@city.izunokuni.shizuoka.jp
055-948-1480

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