シェアリングエコノミーに関する国際規格策定に向けた会議(IWA)が2017年4月22日から24日(現地時間)、カナダ・ミシサガ(オンタリオ州)で開かれました。

日本からは、シェアリングエコノミー協会事務局スタッフ1名のほか、経済産業省国際標準課(JISC)2名、内閣官房1名の計4名が参加。IWAの目的についてを確認し、国際標準化に向けて世界8か国の関係者が意見交換を行いました。

政府CIOの座間氏(右から2人目)によるプレゼンテーション

本会議に出席した参加者は計約27名。内訳は、カナダが約15名(コンサル、シンクタンク、環境団体、大学教授等)、米国2名(Webメディア『Shareable』、プラットフォーマー)、オランダ1名(『shareNL』)、ジャマイカ1名(消費者団体)、フランス1名(国家標準化機関)、南アフリカ1名(国家標準化機関)、オーストラリア1名(COPOLCOメンバー、消費者団体)、日本4名(経済産業省国際標準課2名、内閣官房1名、シェアリングエコノミー協会1名)。

以下、当協会より参加した事務局スタッフがまとめたレポートを紹介します。

国際会議1日目まとめ

ISOは非政府組織であり、国家機関その他から独立しています。そのため、法律制定のような厳格な手続きによることなく改正することが可能で、日々進化するシェアリングエコノミーに対して柔軟に対応することができ、常にアップデートが可能です。
また、シェアリングエコノミーに係る事実関係を、より中立的な立場で記載するため、シェアリングエコノミーの規格作りには最適です。まずは細かい規格を作るのではなく、大きな枠組みを作り、知識とベストプラクティスの共有を図り、今後も適宜見直しをしていく必要があります。

ブロックチェーンとシェアリングエコノミーは非常に相性が良いので、今後も引き続き手を取り合いながらお互いに進化させていくべきですが、今回のIWAでその辺を絡め始めると収拾がつかなくなるため、除外します。

IWAで何らかの基準を立てたとして、それに漏れる(その基準を守らない)アウトサイダーをどうするのか、という点についても議論されました。

さらに、Uber、Airbnbのような巨人と、スタートアップの小さなPlatform Operatorを一緒に議論してよいのか、という点についても議論。Platform OperatorとProvider(ホスト/提供者)を一緒にせず、区別して議論すべき、という論調で進行しました。

国際会議2日目まとめ

“Labor”という表現が、Provider(ホスト/提供者)を含んでしまうのではないか、という指摘があがり、長い時間を使って議論がなされました。
最終的には、Platformerの社員(業務委託のエンジニア含む)を指すということで落ち着きました。しかし、Uberのドライバーが労働者性を訴えている問題もあり、特に日本では労働法規制が厳しいため、Providerを労働者としてみなすような考え方が世界的に広がるとなると、Customerのために悪いProviderを排除するということができなくなってしまうため、今後も引き続き注視が必要と思われます。

そもそも、“Sharing Economy”とは、という定義の部分でかなりの時間を割いて議論がなされました。Harman(ShareNL)やNeal(Shareable/当協会アドバイザー)が中心となって定義のドラフト作りを担い、3日目に全員で議論することになりました。「どのような点について別紙をつけるか、つけるとしたらどのような内容にするか?」についても、小委員会を作り、3日目に全員で議論することになりました。

各参加者より数多くのコメントが出されましたが、シェアリングエコノミー協会にとってネガティブなものは以下の2点(2人からの発言)のみ。反対の意見を出した結果、特段採用されずに終わりました。

Annik Bélanger-krams

The word answerable should be more clearly defined. To better protect consumers, the platforms need to not limit their liability by narrowly defining their activities.
There should be a mention that in order to foster accountability that platforms must not narrowly define their status or operations in order to reduce their liability.

Steve Ball

Too ambiguous – health and safety has a clearly identified standards.
Ensure the minimum legal standard of health and safety is provided to peer customers and others who are affected by their activities.

国際会議3日目まとめ

経産省国際標準課の矢後氏、政府CIO上席補佐官の座間氏から、日本の取り組みについて説明をしました。
その後、多くの参加者から「非常に興味がある」という声があり、今後ISOにする時に一つのモデル事例としてうまく組み込むための助言をもらうことができました。

そもそも、“Sharing Economy”とは、という定義について、前日の議論を受けてさらに議論を深めました。
「どのような点について別紙をつけるか、つけるとしたらどのような内容にするか?」についても、前日の議論を受けてさらに議論が深まりました。

“Introduction”の内容についても小委員会を作り、活発な議論がなされました。

参考:CSA作成のレポートがまとめたKey issue

  1. Discrimination, accessibility and inclusion
  2. Safety
  3. Labour challenges
  4. Negative externalities
  5. Online reviews
  6. Algorithmic openness and equity
  7. Dynamic pricing
  8. Competition
  9. Data-sharing and data protection
  10. Dispute resolution mechanisms
  11. Transparency

今後のスケジュール

3か月以内に内容の詳細を詰め、提出してからISOが編集に1か月を要し、その後IWAの合意文書が発表されるというスケジュールです。6か月以内に公表されます(予定通りならば7月下旬から8月ごろ発行見込み)。

CNタワーと街の風景

協会概要

名称 一般社団法人シェアリングエコノミー協会
所在地 東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID(株式会社ガイアックス内)
理事 代表理事 上田祐司(株式会社ガイアックス)
代表理事 重松大輔(株式会社スペースマーケット)
理事 甲田恵子(株式会社AsMama)
理事 角田千佳(株式会社エニタイムズ)
理事 南章行(株式会社ココナラ)
理事 吉田浩一郎(株式会社クラウドワークス)
理事 中山亮太郎(株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング)
協会ウェブサイト https://sharing-economy.jp/